暑い
こんにちは、狐です。
今日から7月だね。馬鹿みたいに暑いね。
これはもうしばらく引きこもり決定だな、こんな暑い中、外なんて出てらんないよ。ねっ。
さて、今日は今更ながら『ほしのこえ』を観たので、その感想とかいろいろ。
『ほしのこえ』とは?
皆様ご存知(?)、アニメーション映画監督の新海誠(しんかいまこと)さんが、一番最初に発表したアニメーション映画。
25分くらいの短編なんだけど、そのほぼすべてを新海さんが一人で作ったことで話題になったよね。
発表されたのが2002年だから、今から14年前か。確かにその当時に個人制作のアニメっていうのはなかなか考えられなかったよねぇ。
ちなみにその頃テレビでやってたアニメって言えば『デジモンフロンティア』、『機動戦士ガンダムSEED』、『真・女神転生デビルチルドレン』とかなんだよなぁ…。
はあ、懐かしすぎて死にそう。
あらすじをざっと説明すると
- 中学生の女の子が宇宙人と戦うロボットに乗ることになる。
- 地球に残された男の子は、自分が宇宙に行ってしまった女の子に恋心を抱いていたことをじわじわ痛感していく。
- 宇宙船はどんどん地球から遠ざかり、それに伴って二人のメール送信にかかる時間も伸びていく。
- 時間のズレにより年齢すら離れていく二人の思いは通じるのか…?
的な話です。
アニメ映画、小説、漫画といろんな媒体で発表されているけど、どれも微妙に中身が違うみたい。
狐は映画と漫画しかみたことないです。
感想
- 背景
まず背景が個人制作の域を超えてた。
人物は正直下手だったけど、当時の技術でしかも一人で作ったと考えると背景が鬼のように綺麗だった。
新海さんは当時から「なんてことはない都会の風景」と「空」がうまかったんだなぁって感心してしまった。
特に空の描写は、色といい雲の動きといい、ところどころに非現実的な表現を挟んでいくことで近未来感や独特の世界観がうまく現れていてセンスあるなぁと思った。
例えば開始3分くらいのコンビニから出てきたあとの空の描写。
雲が両側から画面真ん中に向かって流れてくるっていうありえない風景なんだけど、左の普通の青みがかった雲が主人公たちの日常で、右からくる重たい積乱雲が宇宙へ行くという非日常、って考えると2つが近づいていく、しかも積乱雲のほうが面積が広くて雷もなっていて、いかにも今から一荒れします、っていう感じなところから、ああ何か今から絶望的な状況になるんだなっていう不安感が意識しないうちに見ている人にも起こってくるよね。
そんな感じの細かい芸がたくさんあって、「心情表現を勉強したんだろうな、すごいな」っていう初々しさと「色とか画面の使い方が素人っぽくない、なにこれ」っていう謎のギャップが凄く面白かった。
- ストーリー展開
正直微妙だった。
もう少し登場人物たちのセリフがあってもよかったかなーと思うところが数点。
例えばなんで主人公の女の子がロボットに乗ることになったのか、とか。
説明っぽくなるから物語は最小限のセリフでいい、っていう派の人もいると思うし狐も基本的にはその立場なんだけど、もう少し喋ったほうが物語に深みが出るのでは…?っていうところがちょこちょこあったんだよね…。
で、それをうまく補完してたのが漫画版の『ほしのこえ』。アフタヌーンKCから出てて、佐原ミズさんが描いてらっしゃるやつ。
これは本当に人間関係の描写がうまかった。
正直、こういう複雑な設定を漫画にするのって佐原さんはどうなんだろうって思ってたんだけど(佐原さんは独特の世界観を描き出すのがうまい方で、その世界観ていうのは現実から3歩くらい浮いたようなものだと思っていたので)、非常に綺麗にまとまっていて読みやすかった。
というわけで、ストーリー展開から行けば狐は漫画版のほうが好きかなぁ。
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- ちょっと不明だった部分
アガルタ(シリウス星系第四惑星)に着いたとき、主人公の女の子がいろいろな年齢の自分に会うシーンがあったんだけど、その意味がよくわからなかった。
普通に生活していたらっていうifの自分とか、こうでありたかったっていう感情が、幻覚的に自分の前に現れたの?
もしそうならもう少しセリフを練って欲しかった気がする…というか、全体的に主人公の女の子に感情がなさすぎて違和感が消えなかった。
一応宇宙人との戦争なんだけど、普通に怪我もするし結構な確率で死ぬんだけど。そういうことに対する恐怖に、主人公がかなり鈍い。
これが素で鈍い人を描きたかったのか、はたまた好きな男の子のことを中心に世界が回る、そんな中学生らしい女の子を描くためにわざとそうしたのか、それとも単なる描写の不足か。
いずれにせよ、そこを見ていて悩むのは”表現方法”ではなく”表現ミス”なのでは?と思ってしまった。
好きな男のことだけが世界のすべて、っていう説は有力な気がする。
だってこの女の子、この状況で家族について一切触れていないし。まさか最初から最後まで一回も家族の話が出てこないとは思わなかったけど、連絡はしていたんだろうか。謎…。
総合評価
☆3つ。
新海さん好きなら見てもいいと思う。短いし。
色の使い方は既に神がかっていたからめちゃめちゃ勉強になるし。
ただ、「面白そうだから見よう」って思うとちょっと拍子抜けするかも。
物語展開としては素人・改って言う感じかなぁ。
他の媒体との服用をおすすめしまっする。
ではでは、マッスルマッスル!
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